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万有引力

或いは ネリリし キルルし ハララしているか

ぼくたちのSMAP

 

 「今日は2016年1月18日です。」

 テレビの前で多くの国民が見守る中、木村拓哉は確かめるようにそう言った。

 

 

 SMAP×SMAPで生放送があると知ってから、気が気じゃなかった。もしかしたら本当にSMAPは終わってしまうかもしれない。

 

 マスコミ宛てにジャニーズ事務所から届いたFAX。その内容に不安を感じた。

 

平素より大変お世話になっております。

 

この度は弊社所属アーティスト「SMAP」に関する問題により、多くのファンの皆様、関係各社の皆様、そしてマスコミの皆さまを大変お騒がせ致しました事、深くお詫び申し上げます。

 

先週より報道されております騒動につきまして、社内協議を重ねました結果、今まで支えて下さっているファンの皆様をはじめとする、より多くの皆さまに5人のメンバーの口から直接、現在の心境を語らせて頂く事が、せめてもの誠意を尽くせることと考え、SMAPの5人がレギュラーを務めさせて頂いております唯一の全国放送番組でございます、フジテレビ系列「SMAP×SMAP」の1月18日(月)22:15~放送の内容を一部変更頂きまして、生中継にて5人の現在の心境を語らせて頂きたいと考えております。

 

尚、本人達の口からSMAPを支えてくださっている全国の皆様に直接お話をさせて頂きたいという意向での生中継でございます為、事前の内容に関するお問い合わせやご取材依頼につきましては、一切お答え、ご対応はできません事、予め御了承頂きたく存じます。

 

またこの件に関する記者会見の予定もございませんので、あわせてご了承頂きたく存じます。

 

何卒ご理解、ご協力の程よろしくお願い申し上げます。

 

株式会社ジャニーズ事務所

SMAPが生放送で心境…ジャニーズ事務所からのFAX全文 : スポーツ報知

 

 

 生放送で語ることが「せめてもの誠意を尽くせること」という表現であることが、怖かった。

 

 それから夕方になるまで、不安をかき消すように、「もう間に合わないかもしれない」と思いながらも、1枚1枚必死にハガキを書いて過ごした。

 

 

 月9が終わり、「食いしん坊万歳」が終わり、いよいよ、その時が来た。

 

 

 真っ黒な背景に白く浮かび上がる文字。不安でいっぱいだった。

 「世界に一つだけの花」が流れ、番組に届いたメッセージが読まれた。

 

 そして、メンバーの姿が映った。みんなお揃いのチーフを同じように胸ポケットに入れていることに目がいった。悪いことをしたわけでもないのに、黒スーツであることが不安をあおった。

 

 

 

 この時、並び順は「中居・草なぎ・木村・稲垣・香取」

 「どうして木村くんがセンターなの?」まず、そこが疑問だった。

 

 

 わたしは日頃から木村くんセンターは絵として強すぎると感じていて、この日も謎の圧を感じた。

 

 木村くんが力強い瞳でカメラを見つめている。カメラの向こうにいるわたしたちを見ている。

 

 

 

 いつもだったらこういうとき、話し始めるのは中居くんだ。中居くんは、「リーダーである」という自覚が強いとわたしは思う。本人がどんなに「リーダーって言っても何もしていない」と言ったって、何かあったとき先頭に立ってSMAPを守るのは中居くんだった。中居くんはリーダーとして、SMAPをいつも守ってきた。

 

 だから、今回だってSMAPファンは皆口をそろえてこう言った。

 「中居くんの言葉を待とう」

 

 

 

 SMAPファンの間では有名だけど、木村くんは生放送で喋ると大体尺を取りすぎるし、遠いんだか近いんだか分からないポエミーな表現で「結局…?」となることも時々ある。そういうのをファンやメンバーはちょっと笑いながら見守ってるのである。*1

 

 

 だから、なおさら木村くんがこの場を仕切ることに驚いた。

 

 

 木村拓哉
今日は2016年1月18日です。
先週から我々SMAPのことで世間をお騒がせしました。
そしてたくさんの方々に、たくさんのご心配とご迷惑をお掛けしました。
このままの状態だと、SMAPが空中分解になりかねない状態だと思いましたので、今日は自分たち5人が顔をしっかりそろえて、皆さんに報告することが何よりも大切だと思いましたので、本当に勝手だったんですが、このような時間をもらいました。

稲垣吾郎
この度は僕たちのことでお騒がせしてしまったこと、申し訳なく思っております。
これからの自分たちの姿を見ていただき、そして、応援していただけるように精一杯頑張っていきますので、これからもよろしくお願いいたします。

香取慎吾
本当にたくさんの方々に心配をかけてしまい、そして不安にさせてしまい、申し訳ありませんでした。
(少し間を置き)
皆さまと一緒にまたきょうからいっぱい笑顔を作っていきたいと思います。
よろしくお願いします。

中居正広
今回の件で、SMAPがどれだけみなさんに支えていただいているのかということを、改めて強く感じました。
本当に申し訳ありませんでした
(ため息をつき)これからもよろしくお願いいたします。

草なぎ剛
皆さんの言葉で気づいたこともたくさんありました。
本当に感謝しています。
今回、ジャニーさんに謝る機会を木村くんが作ってくれて、今僕らはここに立てています。
5人で集まれたことを安心しています。

木村拓哉
最後に、これから自分たちは何があっても前を見て、ただ前を見て進みたいと思いますので、皆さん、よろしくお願いいたします。

SMAP、活動継続へ意気込み【メンバーコメント全文】 | ORICON STYLE 

 

 「空中分解になりかねない」という状況を打破するために、今5人は動いているんだ、と木村くんの言葉を聞いたときに思い、「解散しないかもしれない」という希望が見えた。

 

 吾郎ちゃんが話しだしたとき、なんだか不貞腐れているように感じた。「あ~、吾郎ちゃんの態度出ちゃってるのかな~」と少し安心していたわたしは思った。

 

 でも、その後、続くメンバーが繰り返す謝罪の言葉に、何が起こっているのか分からなかった。

 

 彼らはなんで謝っているの?誰に謝っているの?

 

 この時間が、とても不気味に感じた。

 

 顔を見れば、みんな明らかに疲弊している。みんな俯いてカメラを見ない。

 

 「また今日からいっぱい笑顔をつくりたい」と言いながら、誰も笑っていない。

 

 

 なにより、中居くんの「今回の件で、SMAPがどれだけみなさんに支えていただいているのかということを、改めて強く感じました。」という言葉がファンであるわたしにはつらかった。

 わたしが「SMAPがだいすきだ」「5人でいてもらいたい」と思ったことが、その行動が、中居くんたちを苦しめてしまったのかもしれない。そう思った。

 

 「SMAPSMAPだけのものじゃない」と鶴瓶さんは慎吾くんに言った。実際にSMAPの解散報道が出ると、日本中、世界中がショックを受けた。

 

 でも、SMAPだけのものでは無くなったことが、良かったのか悪かったのか、その時突然分からなくなってしまった。沢山の人からの支持を集めることは、「良いこと」であるはずなのに、それが彼らを縛り付けてしまったのかもしれない、途端に「良いこと」ではない気がしてきてしまった。

 

 

 わたしは、ただ「SMAPは解散しません」という言葉がほしかった。そう言ってくれると信じてた。でも、彼らが言ったことは「申し訳ありません」「これからも宜しくお願いします」「ただ前を見て進んでいきたいです」ということだった。

 

 生放送が終わって、わたしが一番最初に思ったことは、「…で?」っていうことだった。それでSMAPは解散するのかしないのか、前に進むと言うのはSMAPで?個人で?

 

 急いでTwitterにアクセスしたらダウンしていて、「解散するのかしないのか」という最も気になる部分が分からないまましばらくビストロを見ていた。

 

 

 

 しばらくしてTwitterが繋がり、「どうやらSMAPは解散しないらしい」ということが分かり、ひとまず安心できた。でも、それじゃあなんであんな雰囲気だったんだろう、今後の活動はどうなるんだろう…と新たな疑問がわいてきた。

 

 彼らはもしかしたら、「解散しません」と明言できる状況では無いのかもしれない。彼らの話し合いはまだ続いてて、でもその途中までのことをお知らせしてくれているのかもしれない、と思った。

 

 でも、あの日の5人の憔悴しきった姿に少なくともわたしは、ショックを受けた。

 

 出てきてくれて、本人の口から話を聞けたことは嬉しかった。だけど、あんなお通夜みたいなのを見せられて手放しで喜べるかって言ったらそれは違った。

 

 

 18日の放送を受けてネットで、「(前略)生放送でも本心は語れないことも分かっていたはずです。それを分かった上で、ファンは4人が戻ることを希望したわけです。つまり、5人を不幸にしたのは衝動的で感情的なファンであるともいえます。」という意見を目にして、心臓が潰される思いだった。ファンである自分があの日の憔悴しきった5人の姿をつくりだしてしまったのかもしれない。

 

 最初の報道が出てから、これまで何度も、ファンである自分はどう行動するのが正しいのか思い悩み迷いながら、それでも自分の応援する気持ちを届けたいと思って行動に移してきた。

 

 その全てが否定された気分だった。あの生放送を見て、「本当にこれでよかったのかな。もしかしたら解散した方がよかったのかもしれない」という思いが過った。

 

 

 

 あのスマスマから今日で2日が経った。

 

 わたしは毎日、他の人の意見が知りたくてTwitterなどをチェックしている。そして、今週放送されたビストロSMAPの収録に参加した方のツイートを見た。そこには、「木村くんは何も言われずとも中居くんの分のご飯をよそっていたから、それだけは真実だよ」というようなことが書かれていた。

 

 今、マスコミはこぞって中居くんと木村くんが不仲であるように記事を書いている。そして、中居くんたち4人と、木村くんと事務所側という図式が出来上がっている。ネットでは、ファン以外から「中居くんたちを応援する」「中居くんたちが造反したなら処罰があって当然」「木村くんのことはもう応援しない」「木村くんは正しい」など、その4:1の構図そのものの意見が書かれている。

 

 この問題に関して、本当のところはまだ誰にも分からない。だけど、SMAPを4:1で捉え、片方を支持し片方を落とすというのは、マスコミの思うつぼな気がする。

 

 

 SMAPがもし本当に内部分裂をしていたとしたら、木村くんが動くことも、中居くんたちがあそこまですることも無かったとわたしは思う。

 

 

 わたしは、今までジャニーズ事務所を愛してきたし、それはこれからも変わらないと思う。*2ジャニーズ事務所は所属タレントのことは徹底的に守り、辞めた人のことは徹底的に叩き潰すということは、これまでのジャニーズ史を追いかけていく中で何となく知っている。*3事務所のそういったやり方はどうなんだろう*4と思う一方で、ジャニーズの、ジャニーズにしかない煌びやかな世界が大好きで、追いかけることを止められない。

 

 SMAPは飯島さんのマネジメントだけど、わたしはジュリーさんのことを無能だと思ったことはないし、ジュリーさんがマネジメントすることで成功したグループ*5もたくさんいると思う。飯島さんとジュリーさん、それぞれにそれぞれの良さがあって、そのやり方が合うかどうかはグループやタレント、デビューした時期によっても違うのだと思う。わたしは、飯島さんが社長の座を狙っているとは思えないし、飯島さんとジュリーさん間の直接的な対立は無いと思っている。*6

 

 

 妹*7が、あの生放送を見て、どう応援すればいいのか、応援していいのか迷っていたわたしに、言ってきた。

 「あの生放送があるまでは、みんな『解散しないで!』ってたくさん言っていたのに、あの後一気に『あ…』って引いちゃって、応援する人が減っちゃったと思うけど、こういう時こそ声を届けた方が良いよ。ハガキ書きなよ。『SMAPを続けてくれて嬉しい。ありがとう。』っていう感謝の気持ちを伝えないと!」

 

 わたしたちは、5人がSMAPであることを望んだはずだ。そして、5人はSMAPとして活動を継続していくことを選んでくれた。

 だからわたしは、彼らがSMAPを愛してくれている限り、5人を応援し続けて行こう。

 

 

 

 Twitterで、こんな言葉を見つけた。

 

 

 目が覚める思いだった。

 

 彼らは「奴が最後に勝つように この世界出来てんだぜ」と歌った。

 

 「どんな逆境だって 楽しんでしまえさあ 面白おかしく おれは勝ち逃げするよ」と歌った。

 

 わたしたちはそんな姿をずっと見て来た。

 

 

 中居くんが「今年は踏ん張る」と言ったのだから、木村くんが「信じてついてきて」と言ったのだから、そして5人が「これからもよろしく」と言ったのだから、ファンとして彼らをまた応援していこうと思う。

*1:木村くんファンの皆さん不快にさせていたらごめんなさい

*2:SMAPが解散してしまったらもしかしたらジャニーズファンを辞めてしまうかも…とは思ったが

*3:あと、マッチと明菜の問題と31☆アイドリームから考えるアイドルの恋愛 - 万有引力 に書いたように、中森明菜にした仕打ちはひどすぎると思う。いくら自社タレントを守るためでも、人を病気にするようなことはしちゃいけない

*4:例えば声優業界は移籍や独立が比較的円満で、移籍したからって仕事を干されたりすることはあまり無いし、中堅で独立する人もいる。もちろん、元所属事務所の声優との共演もできる。

*5:Hey!Say!JUMPや嵐

*6:でもジュリーさんのことはほとんど知らないのでその辺知っている方がいたら教えてください

*7:ジャニヲタではない